こんにちは、治癒処の中野です。
酷暑の夏でバテまくりの私ですしたが、最近やっとブログを書く余裕が出てきました(笑)。
先日パソコン予約に、初診なのに指名料がかかる院長予約で来院した新患さんの症例です。
Kさん 〇〇歳 男性 主訴:2週間くらい前より口が開かない。

この方は以前水泳をやってた体格の良い若い男性で、筋肉もしっかりしていて左右のバランスも良く特に問題があるようには見えません。以前は慢性副鼻腔炎だったらしいのですが、今現在は鼻の通りも良く手術歴や手術痕もありません。
顎関節症を疑って仰向けで細かく触診します。
恥骨から鼠径部の圧痛を探しますが、蝶形骨の歪み反応も見当たりません。鼻周辺の押圧も無く腹部の嫌な圧痛もありません。
さてどうしたものか?
頸を細かく触診すると…後頭部から頸の付け根が僅かづつ廻り込むように硬いので、後頭部の硬さを指標に身体全体を緩めてみる事にしました。
悪血処置、胃の気、扁桃処置等…長野式基本処置を施して後頭部と首の付け根が緩んだので
“口はどうですか?少しは開きますか?”
“はい…あれ?だいぶ開けられます。”
“最初の開かない状態をゼロとして、今は何割位開きます?”
“そうですね、7,8割開いてますがそこまで開けると左の顎に痛みが出ます。”
私が左の顎を再度チェックすると胸鎖乳突筋の下に潜り込んでいる前斜角筋が右と比べて明らかに硬い。この硬い部位は腰のツボ(志室)で緩める事が出来るので、志室を指で丁寧に探すと…小さいウズラの卵位のコリを見つけました。このツボを軽く10秒位マッサージしてから
“もう一度口を開けて…痛みはどうですか?”
“あっ減ってる、痛み半分くらいです”
Kさんの左肩が上になるよう横向きにして…最近見つけた対斜角筋緩和法の“QLM(腰方形筋)処置”を、腸骨をエグる様に鍼刺激を加えるとKさんの斜角筋がフワッとしてきました。
“どうですか?口を大きく開けて…痛みますか?”
“そうですね、痛みはもう1割くらいで…ほぼほぼ感じないです”
“なんとか良くなった様ですが、Kさんの口が開かなくなった根本原因が分かりません。なんだか分からないケド左の腰にコリがあって斜角筋が硬くなって口が開かない?2,3日様子見て症状がぶり返したらもう一度早めに来てください。”
Kさんは満足顔で帰りましたが、勉強不足の私には釈然としない症例報告でした。