こんにちは、治癒処の中野です。
今日の症例報告は深呼吸すると咳込んで毎日がツラいって患者さんの治療です。
Aさん60代女性。
このAさんは年に2~4回位の頻度で来院する方で、来院時はいつもボロボロに疲れ果てています。
今回はひと月前より呼吸すると咳が出始めて、深呼吸すると咳が止まらなくなるので浅い呼吸で
日々を過ごしていたとツラそうに語りました。特に息を吸う時に咳が出るとの事で常に寝不足です。
触診:足先は硬いが胃の気は有る、鼠経部を押すと痛がる、腰はガッチガチに硬く起立筋が棒の様、
胸部は“中府”の左右に圧痛有、後頭部、側頸部もガチガチ。側頭部は耳周り上部に硬いコリ。
腹は臍から心窩部にかけてのスジ状の張り、肘の扁桃ポイントにも圧痛有。
Aさんは元々慢性腰痛で来院されてた方で、触診で腰から背中にかけての脊柱起立筋が棒状の硬さ
だったんで背中の強烈なコリが胸郭の呼吸を妨げてると思い、背中から頸をとことん緩める事に
しました。
治療:最近院内で流行してる“趾間中足骨”(下の画像)を両足に刺入すると腰から背中がふんわり
してきました。
鼠径部を緩めるのに“陰陵泉”、“足三里”、“絶骨”、“丘墟”を鍼刺激、鼠径部の緩みを確認した後に
お腹のツボ“帯脈”、“臍周り”を鍼刺激するとAさん“息がし易くなってきました”
後頚部を触診すると頸がだいぶ緩んできています。私が“息を大きく吸ってみて”➡“コホッコホッ…だいぶ楽です”
全ての鍼を抜いたらひっくり返してうつ伏せです。頚は緩みが出てますが、背中から腰がまだまだ硬いです。
仙骨下のツボからコリンコリンとあるコリの塊が仙骨を覆っているので全てのコリンコリンに鍼刺激。
背骨と背骨の間にAnchor shot(下の画像)鍼刺激を加えると背中から頸にかけてジワジワと緩んできました。
“どう?呼吸した感じは?” “はい、背中が緩んだからか?呼吸するのがホント楽です”
とどめに“委中”、“飛揚”、“崑崙”でAさんの頸にへばり付いてる邪骨処置を加えると深呼吸しても全く
咳き込まなくなりました。
Aさん、着替えを終えて受付に来た時にツラさのスケールを聞いてみると来院時のツラさ10に対して
治療後のツラさは1との事でした。月一回のメンテナンス治療を薦めましたが…また半年後の来院かなぁ?