久々の症例報告です(最近、漫画の原作ストーリーを作ってたもんで…症例報告を怠けてました)。
今回は以前より当院に通ってたテニス大好きな患者さんの踵(かかと)治療です。
Yさん、50代後半、女性
この方、テニスが大好きで・・・走り回りすぎて膝や手首、テニス肘などになるといつも院長指名で当院に駆け込んで来ます。
今回は約2年ぶりの来院です。主訴は歩くだけで右の踵が常に痛いとの事。当然仕事も家事もままならないようで、整形外科へ行って2か月治療を受けたが痛みは一向に良くならず、当院に駆け込んで来ました。
本人曰く…辛いです・・・テニス出来ないのが…と、悲しそう。
先ずは触診です。お腹がコチコチに硬い。扁桃反応エリアを触るとかなり痛い。鼠径部も痛い。ももとふくらはぎは内側が硬くて痛い。そして…メインの踵を見ると
つちふまずが…無い!!単に偏平足なんてレベルじゃなく、内くるぶし~つちふまずが腫れ上がっている。熱っぽさは無いので炎症は起きていないが、内くるぶし~つちふまず~踵がボッコリしてます。
東洋医学で“腎経”と呼ばれるツボの流れが滞っている状態です。
Yさんに聞くと踵の弾力(クッション)がまるで無い感じで、踵の骨で歩いてる気がするとの事。更に踵全般にひび割れ!そりゃあ痛いわ!
治療は腎気が開通するように鍼治療を行います。
先ず右膝内側で硬い、痛い、筋張ってる所に5~7本鍼を刺入。お腹を触ると “おぉ?!” 少しお腹が緩んだぞ。次は太もも内側の “五里”。五里を押してお腹をチェックするとコチコチお腹が明らかに緩む場所にツボを取ります。
お腹の硬さはこれで半減。踵をチェックすると少し弾力が出た。頸の扁桃反応をチェックすると痛みは無い。鍼を入れたまま10分程静置したのち鍼を抜きました。
患者さんに立ち上がってもらい、足踏みして踵の痛みをチェックしてもらいました。“踵の痛み半減” Yさん“テニス出来そう”と言う。 …まだ無理だろ?
横向きになってもらい患者さんの股関節(大転子)周りで踵が緩むツボを探して鍼(3.5寸の長鍼)を刺入。これを両側やった後、患者さんに踵の痛みを確かめてもらうと、 “凄い!ほとんど痛くない!”と嬉しそうにテニスラケットを振る動作をする。
院の通路を走ってもらい痛みチェックもクリアですが、踵のピンポイントは押圧すると痛み有り。
踵のひび割れは両内くるぶしに置き鍼パイオネックスを貼りました。(ここに貼っておくと、これ以上のひび割れは起きないのです)。
つちふまず~内くるぶしのボッコリ盛り上がりも大分低くなりました。盛り上がりが見た目にもハッキリわかるぐらい凹んだので患者さんもびっくり!
“この盛り上がりが凹んでつちふまずが出るまで治療した方が良いよ”
今週、久しぶりに軽くテニスしてみます。と言うので “マジで軽く…お願いします。”
本日の治療はこれにて終了。患者さんは来週の予約を取って帰りました。
くれぐれもお大事にしてください。