こんにちは 院長の中野です。
今回の症例報告は私(中野)とスタッフMさんです。
みなさん“歯が浮く”って味わった事ありますか?私に言わせれば“?なんのこっちゃ?”なんですが、
結構“歯が浮く”で辛い人がいるって話なので、私の体験をここに報告します。
院長55歳 男性 職業:修理屋。運動:ボクシングとバドミントン。趣味:バイク改造。甘い物はほぼ食べません。
令和2年4月中旬より右奥歯がなんか…滲みる。特に冷たい飲み物を飲むと歯に滲みます。
“これは何だ?知覚過敏ってヤツか?”
右奥歯周囲全体がなんか違和感…虫歯にしては右側全体なんで“虫歯はありえないだろう”っと勝手に解釈、
暫く様子を診る事にしました。
4月末…右顎がなんかおかしい。噛み合わせがおかしくて右顎全体に突っ張り感+知覚過敏。
就寝時も右顎が気になって眠れないのでボクシングで使ってるマウスピースをはめて寝ます。
5月 右顎が毎日違和感、異常感で物凄いストレス。20年ぶりに歯医者に行こうか…。と思いつつ右顎を自分で
チェックしてみると…。
“なんだぁ~この硬くて痛いコリは?”
久しぶりに鏡を見てみると右顎がなんとなく盛り上がって腫れぼったい感じです。
更に右頸の胸鎖乳突筋もガチガチに硬いコリで覆われていました。
“このコリが知覚過敏なのかぁ~?”
右顎を丁寧に時間をかけて自分でマッサージします。
コリコリコリ…。
おぉ?マッサージ…気持ちいいじゃん。
さらにコリコリコリ…。
だいぶコリが解消されて顎が少し楽になったので久しぶりに熟睡できました。
翌日、右顎が揉み返しで腫れぼったく、触ると痛いのでスタッフ田渕先生に
顎へ直接鍼刺激してもらいました。
鍼刺激の後、右顎から胸鎖乳突筋がかなり楽になったものの、冷たいものを飲むとまだ滲みます。
そして、右顎が楽だったのは2,3日。また顎の張りと辛さが復活してきました。
“なにが原因なんだろ?”
6月 相変わらずの顎の辛さが戻ってきたので、私は結構真剣に自分の身体の異常エリアを探し始めます。
顎の張りの他には右脇腹が左に比べて結構筋張って硬い。そして右頸の後ろが左に比べて明らかに硬い事が分かりました。
“これ(頸が原因)かな?”
スタッフの山根先生を捕まえて “ココ!この右頸の後ろを緩めてくれる?” とおねだりします。
山根先生は右わき腹+骨盤(仙骨周辺)の対側に比べて明らかに硬く、私が痛がるポイントを容赦なく鍼刺激してくれました。
“う~ん…効いてる気が…する(脇腹が物凄い鍼の響きあり)。”
私の右頸をチェックする山根先生。
脇腹と仙骨周辺の鍼刺激でだいぶ頸が緩んできました。
物凄い鍼の響きに耐えながら30分ほど放置された私ですが、右頸の後ろは良い感じに緩んでます。
噛み合わせに若干の違和感が残りましたが、頸の後ろが緩んで顎の張りもかなり楽になりました。
“これで治るかな?”
そう期待していると今度はスタッフMさんが
“院長先生、私も最近同じ様に顎がおかしいんで治療してもらえますか?”という展開になりました。
私はいままで、2人のスタッフに“ココ!ココ刺して、それ、そこを刺して…”とわがまま好き勝手にツボを指定して
鍼刺激してもらってました。そのツボ部位を総動員しながらMさんの治療にあたりました。
治療後に“どう?顎の違和感はマシになった?”と聞くと
“凄い、頸も顎も楽ですぅ~、歯の浮く感じがありません。”
“歯が浮く?顎関節の噛み合わせの事?”
“顎が突っ張った感じを歯が浮くって言うんですよ。”
“ふ~ん、歯が浮く…ね。”
“歯が浮いて困ってる人結構いますよ、でも私はもう大丈夫みたいですぅ”
歯の浮きを沈めた事で絶賛されました…私のも歯が浮くってヤツなのかな?
スタッフMさんはこの後1カ月経っても“歯が浮く”は再発していません。
7月 残念ながら私の歯が浮く症状は約1週間で再発。再び顎の違和感と後ろ頸の硬さ。そして知覚過敏が戻ってきました。
“顎の直接刺激、脇腹、腰の鍼治療”これらを駆使しても右顎の違和感がスッキリ抜けません。
“歯医者さん…マジ行こうかな?歯自体に異常があるかないかの確認をしに。”
歯医者へ行く前にベテランスタッフの山際先生に私の身体の左右差バランスをチェックしてもらいました。
“なにこれ~先生、右の側頭部ガチガチだよ。”
“えぇ~、あっホントだ…なんだぁ?この硬さは。”
って事で、今度は山際先生に右側頭部のガチガチコリに鍼を刺入してもらいました。
山際先生の容赦ない鍼のお陰で顎の突っ張り感は解消しましたが、知覚過敏と噛み合わせ違和感が微妙に残ります。
7月中旬 顎の…何とも言えない違和感を抱えながらもボクシングとバドミントンで走り回る私…。
縄跳びをしていると “あれ?”
右股関節に動きの悪さと軽い痛みを感じたのでこの部位を丁寧にチェックすると…
右股関節の深部に物凄い硬さのコリ発見しました!
スタッフ山根先生を再度捕まえて股関節をチェックしてもらうと凄~く嫌な感じの痛み箇所が
いくつも見つかりました。
“マジぃ?何、この痛いのは?”
横向きになった私は右股関節の嫌な痛み箇所、全て(20箇所くらい)に2インチの鍼で刺激を加えてもらいます。
“うぅ~、うぅう~…”
鍼が股関節全体に響きまくります。
唸る事10分以上。
響きが少し収まってきたので余裕が生まれた私は顎を動かして噛み合わせをチェックすると僅かにずれてた歯の
感覚が元に戻ってる気がしました。
“おぉ?”
嬉しくなった私は続けて右側頭部(側頭筋?)をチェックすると…山際先生に“なにこれ?”と言われた
側頭部の硬さがすっかり緩んでいます。右頸後ろも硬さの芯がほぐれた感じ。
顎の異常は股関節の硬さが原因?芯が緩んだ気がしました。
鍼を抜いてもらい、起き上がり丹念にチェックすると、今まで硬く緊張してた右顎の部位が全体的に芯から
確実に緩んできています。今まで気にならなかった左の顎が気になるくらいですから。
股関節の硬さ⇒脇腹、腰の硬さ⇒胸鎖乳突筋、頸後ろの硬さ⇒顎、側頭筋の硬さに繋がっていたのね。
そう云えばスタッフMさんを私が治療した時、股関節周りの鍼刺激をキッチリ入れてました。
今後は “歯が浮く” “奥歯の噛み合わせが…” “顎関節がおかしい…” って患者さんには股関節を丁寧に調べてみたい。
そんな思いに私をさせた症例報告でした。