1週間後、Sさんが来院しました。
五十肩の運動制限はあるももの以前より楽に生活できているようです。前回は頸のコリが
酷すぎて頭に霧がかかった状態だったが今は晴れ晴れスッキリしてる。との事です。
腕の挙がり方をよく観察すると…上腕三頭筋?でしたっけ?(筋肉名を思い出せない(汗)…)
Sさんの痛がる三頭筋が…なんというか“枯れた棒”のように見えます。
引き攣れている様な…萎縮してるような…血行不良な腕です。
細かく詳しく触診すると…硬い。の一言です。
あぁ~このパターンか!
以前、通院していた別の患者さんも同じタイプの五十肩でした。その患者さんは鍼が苦手で…
施術の度に改善するのですが、鍼がツラくて治療途中で諦めてしまいました(汗)。
“この棒の様な上腕を持った五十肩”は患側の“胃の気”が物凄く澱んだ身体なので前脛骨筋を
触診チェックします。
“やっぱ前脛骨筋の奥が萎縮した触感だぁ”
“胃の気”を通すのは足指のマッサージです。足指関節を一本ずつ丁寧にマッサージします。
“痛い、痛い、痛ぁぁぁい!!”
軽く触れている程度のマッサージですが、案の定Sさんは叫び続けます。
痛ぁぁぁい、悲鳴を10分くらい聞いた後でSさんの前脛骨筋を触診すると奥の硬さは
半分ぐらいになったので、Sさんに挙上チェックしてもらいます。肩の運動制限は8割位の
改善がみられたので “足の指と肩が繋がっているんですか?”と痛さ半分、驚き半分の顔。
“棒状の腕”も柔らかさがでてきました。この後、前回と同様の処置をして本日の治療は終了です。
五十肩の運動制限は7割半まで改善、次回の予約は3日後です。
3日後、Sさんの五十肩運動制限は6割改善まで後退していました(汗)。
Sさんに仰向け状態になってもらい再度触診します。
“棒状の上腕三頭筋”は割と柔らかいまま…ですが、左前脛骨筋はまた奥が硬くなっています。
“???…前脛骨筋は同側の足指で胃の気が通うハズ?なのに…”
痛い、痛ぁぁぁい、の指マッサージを岩崎先生にお願いして私はSさんの胃の気の流れを
追っていきます。
大腿部外側―鼠径部―季肋部の途中、脇腹のツボ(帯脈)でSさんが異常なくすぐったさをみせます。
“これか?”
くすぐったいエリアの帯脈ツボから季肋部にかけて鍼刺激を加えていくと、前脛骨筋が少しずつ
フワッとしてきました。Sさんは脇腹の鍼が良く効いているようで
“ズンズンときて重いです” この状態で腕を動かしてもらうと
“お腹の鍼が響きますが、腕はロックが感じられない軽さです”(嬉しそう)
脈を診ると“胃の気”がしっかり開通したような脈だったんで鍼を抜いて五十肩の挙上チェック
をしてもらいました。
“凄い、今年イチの軽さです!”。
前回同様の処置を施して本日の治療は終了です。
五十肩の運動制限は9割まで改善。Sさん曰く“日常生活もほとんど支障無さそうな気がします。”
Sさんはこれから新幹線で居住地に帰るのだそうですが、年内もう一回治療できれば良い正月を
迎えられるんじゃないかなぁ。