こんにちは 用務員兼院長の中野です。久しぶりの治療ブログ更新です。
先日、知人の紹介って事で現役の競輪選手が治療を受けに来ました。
レース中の落車を繰り返す事で手術の古傷オンパレードの患者さんです。
主訴:腰椎ヘルニア、慢性腰痛、左脚にチカラが入りにくい、足首が曲がりにくい。
とレーサーにとって致命的な症状です。いろんな病院や治療院で施術を受けたのですが
なかなか思うような効果を得られず、紹介を通じて当院にたどり着いたようです。
私も20代の頃、大宮や西武園、京王閣なんかの競輪場に足を運んだ事がありまして…
会社員だった私は日頃のストレスを発散するかのように、車券が外れた競輪選手に
“死ぬまで踏め!”とか“この野郎!腹切って詫びろ!!”とヤジを飛ばしてた若かりし時代がありました。
なので…懐かしさも手伝って、院長指名のこの患者さんの来院を楽しみにしていました。
Aさん 50代 男性 プロアスリート。
先ずは触診ですが、その前に古傷の全てを確認すると…有るわ有るわ、手術痕のオンパレードです(汗)。
右鎖骨骨折6箇所(手術3回)、右大腿骨頸部骨折、右大腿部骨幹部骨折、左右肋骨数か所…と
本人が覚えてるだけでこの数です。病院では腰椎ヘルニアからの左膝下外側痺れと脱力、だそうです。
一番困るのは左足首の脱力で、瞬時にチカラが入らないからレースのラストスパートが効かない。との事。
触診では左大腿部の手術痕が一番嫌な感じで本人曰く“触られたくない”との事。
Aさんの年齢周辺の超有名競輪選手 “吉岡”、“神山”、“十文字”なんかの話で盛り上がりながらの治療です。(笑)
仰向けで鎖骨周辺の古傷を押しながら左足首を動かしてもらいますが、足首の脱力感に変化は見られず。
鎖骨周辺の古傷は次回にして、太ももの大きなキズ(触られたくない)の一番目、二番目の嫌な所を
押しながら左足首を動かしてもらいます。足首の脱力感に変化は…?本人は良く分からず。でも足首を動かす
前脛骨筋の触感は…私の触診では変化したのが分かったので、左大腿部の大きな傷周辺の…深部のコリへ
1.5インチの鍼を30本近く刺入しました。Aさん曰く“太ももの古傷全体がズンズンしてる”と言います。
10分程置鍼(鍼を刺したままの状態)すると“ズンズンが弱まってきた”と言うので鍼を抜きました。
“今、足首はどんな感じですか?”と尋ねると“良く分からないが…ちょっと動かしやすいかな?”との事。
一旦うつ伏せにして腰の高さを確認すると…左の腰~臀部にかけての盛り上がりが確認できます。
“こりゃあ腰椎と仙骨の捻じれだな⁈”と、ひとりで呟きながら “了解です、左を上に横向きお願いします”
脇腹から腹部季肋部に向けて “スーパー帯脈” を施しながら競輪レースについての雑談を交わします。
スーパー帯脈のズンズン響きが弱まったので、再度うつ伏せになってもらうと、腰の盛り上がりが
右とほぼ同じ高さ(まだ僅かに左が高いかな?)になっていました。
“これなら大丈夫かな?” 触られるのも嫌な左太もも傷をチェックすると柔らかさが出てきて、
本人も“嫌な感じが減ってる。”と言います。
うつ伏せ状態で背骨の間、棘突起間に鍼を刺入(錨撃ち処置)して背中の筋肉全体が緩んだのを確認したので
鍼を終了してAさんに立ち上がってもらいました。
さぁて治療効果の確認タイムです。
Aさん曰く“腰椎ヘルニアの腰痛があまり感じない。”、“足首は…なんか動かしやすい”と半信半疑ながらも
納得してる様子。
“2,3日様子見て、効果を感じられたら続けて来院して下さい。”
“明明後日から前検なんで、レース終わって時間出来たら来院します。”
“前検ですか…落車しないでくださいね。”
“そういえば若い頃、落車して骨折と打撲で死にかけて…タンカで運ばれている時のヤジを今でも覚えてます”
“なんてヤジられたんですか?”
“この野郎!そのまま死んじまえ!!とね。”
“…………お大事になさってください。”(汗)
次は私の本命ギャンブル……競艇選手が来院しないかな?