こんにちは 中野です。
今回の患者さんは主訴が4~5か月前からの耳鳴りです。
Оさん。男性。69歳。MRI検査で左脳に良性の腫瘍があり経過観察中。甘いものが好き。49歳の時、胆のうを摘出してます。血圧調整の薬を服用してるらしい。
左首肩のコリが辛いので毎晩“貼るロキソニン”を頸肩に貼って寝ているとの事。耳鳴りは左側で高周波様のキーンと中周波様のジージーと鳴っていると言う。
おぉ!耳鳴りか?久しぶりだな。(私の心の声)
先ずは触診です。左の頸が右に比べて異様な硬さ。そして胆のう摘出の古傷に目がいきます。胆のうの古傷をチェックすると不快な感じがすると言うので、不快な感じの古傷ポイント5,6箇所に軽い鍼刺激をしました。そして頸の硬さチェック。おぉ?もう緩んできてる?触診の指を寄せ付けない頸の硬さがフワッとして頸奥の硬さが明確になりました。
耳下腺から後頭部奥の硬さが顕著です。私の経験では頸と耳奥の血行が著しく乏しいと耳鳴りが発生します。この患者さんも上記のパターンに該当すると思い、この血行不良を改善するような鍼治療を施します。
左を上にしての横向きで股関節の硬くて痛い場所を押圧して左耳から耳下腺のエリアが緩むポイントに3寸鍼で刺激します。股関節に合計10箇所鍼刺激を加えると耳下腺周辺がだいぶ緩みました。
うつ伏せになってもらい、後頭部から後ろ頸~肩の詰まったような肩こりを解消するため膝周辺と骨盤周りの硬い所に鍼刺激を加えて肩を緩めます。
患者さんに起き上ってもらい、頸肩のコリ感と耳鳴りの程度(1回目の治療では効果は期待できないが…)を確認してもらいました。
“肩の調子はすこぶる良いです。それに耳鳴りは高音のキーンは変わらないが中音のジージーは半減してる。耳鼻科に行っても諦めてくれと言われたのに…” と驚いた顔をしながらレポートしてくれました。
以前に報告した耳鳴り⇒難聴に発展した症例は3~4年前から症状を引きずった高齢の患者さん(85歳)だったので週2回治療で4か月位必要でしたが、今回の患者さんは治療に対する反応が良いみたいです。
“発症して3~4か月なんで通常(の耳鳴り)より効果が出やすいみたいですね。週1回の鍼治療を10回くらいやれば何とかなると思いますよ”
本日はこれで終了です。Оさんは来週の予約を取って帰りました。次回の治療が楽しみです。お大事にどうぞ。