こんにちは 治癒処の中野です。
本日は,またまた興味深い頭痛の患者さんに遭遇したので報告します。
画像1⃣ Kさんの頭痛は胸鎖乳突筋が硬くなると側頭部に痛みが出てくる。
この患者さん、半年前まではいつも山際先生が鍼治療を施していましたが、最近側頭部の頭痛が酷いとの事。
今回は院長指名で予約を頂きました。半年ぶりに来院。
Kさん 50歳位 主訴は側頭部の頭痛 初診は18年3月
既往歴 22歳 硬膜下血腫で手術。 33歳 扁桃腺切除 鼻中隔除去手術。 その他 右膝半月板手術。
頭痛で院長指名?
側頭部の頭痛と聞いて、過去の施術録もろくすっぽ見ずに “こんなの山際先生で十分じゃないの…?”と
心の中で呟いてしまいました。(反省)
側頭部の頭痛なので、いつものように側頭部に対応する腹部の硬結と違和感ポイントを中心に頸回りを
しっかり緩めました。今はもう頭痛は無いとの事。
“この感じなら次回からはまた山際先生で対応できますよ” と自信を持って推薦すると
Kさんは “分かりました。よろしくお願いします。”と言い、帰られました。
3日後、Kさん来院。山際先生がその日は治療担当でした。
それから4,5日後。
再びネット予約でKさんは院長指名。
“調子はどうですか?” と私が尋ねると
“院長先生に治療してもらった日は良かったんですが…翌日にはまた頭痛が再発しました。”(画像①)
“えぇ?マジですか?その後の山際先生(の治療)は?”
“はい、楽にはなるんですが…今も頭痛で辛いです。頭痛が起きる前は必ず頸のここらへん(胸鎖乳突筋)が張ってきます。”
“・・・分かりました。”(私:かなり真剣な顔になってます)
Kさんを仰向けにして胸鎖乳突筋を丁寧にチェック!!(硬い…何かあるな…?って硬さです)
カルテの初診時問診票をキチンと見直すと…?
既往歴 22歳 硬膜下血腫で手術。 33歳 扁桃腺切除 鼻中隔除去手術。 その他 右膝半月板手術・・・。
(ヤベぇ、マジかよ…古傷だらけの患者さんじゃん!)
頭部の手術痕は髪の毛で隠れて触診で分かる古傷。扁桃腺切除は口腔内からの為、表皮に手術痕なし。
鼻中隔除去手術も鼻の孔からの切除で視認できる手術痕はなし。右膝半月板手術もあまりに小さく視認性が悪い。
負け惜しみに聞こえますが…パッと見、目立った古傷は私以外の施術者でも見つけられないと思います。
…で、特に気になったのが 33歳 扁桃腺切除 鼻中隔除去手術。
私の経験から、この扁桃腺切除の古傷が胸鎖乳突筋に悪影響を与えてると直感しました。
前回時、Kさんの治療をした時…胸鎖乳突筋の緩みが悪いな…?と思ったんですが、本人は頭痛がすっかり取れて
楽になった。と言ってたんでそのまま治療終了してしまいました。
鼻の周辺を丁寧にチェックしていくと…?私の指が何となく違和感を覚える箇所があったので灸点ペンで印を付けました。
画像2⃣ 鼻中隔切除後の違和感ポイント
画像②イラスト(私の小説“イリーナ2”に登場予定のポーランド人Yacek)の赤印をしたポイント(Kさんの鼻周り 違和感
ポイント)に顔鍼5分針を20本位刺して古傷の残骸らしきポイントを刺激すると…胸鎖乳突筋の突っ張りが一気に緩んできました。
Kさんに “頸がメチャ緩んできましたよ、ちょい自分で確認してみます?”
“ホントだ、全然違う…”
“頭痛はどうです?”
“頭痛も急に無くなりました…不思議だ…?”
“鼻中隔切除の手術痕が(頭痛の)原因みたいですね”(やったね!)
時間が余っちゃったんで、この後横向きで骨盤周り(大転子処置)で頸の両サイドを緩めて治療終了しました。
“あと何回か鼻中隔の古傷を鍼刺激すれば頭痛の頻度はグーンと減りますのでまた来週来てください。もう山際先生で十分
イケます。”
そう伝えると “分かりました” との返事。
治療後Kさんは、今まで硬く常に張っていた胸鎖乳突筋の柔らかさを確かめるように何度もチェックしながら帰りました。
(もちろん頭痛はゼロです。)
Kさん専用の頭痛治療ポイントを見つけた?私は、次回以降の治療を山際先生に丸投げして
また興味深い症例患者さんを待つ事にしました。(笑)