こんにちは 治癒処の中野です。
今回は足底筋膜炎の症例報告です。
T さん55歳 男性 テニスとゴルフを嗜むナイスガイで半年前より左足裏の慢性疼痛に悩まされています。病院の診断は足底筋膜炎。
令和元年5月に1回、6月に1回と当院で鍼治療を受けたが劇的な改善は無かったからか?今月に入って久しぶりの来院です。主訴は相変わらず “足底筋膜炎” 。
本日施術を担当した寺井先生が“院長、一緒に診てもらえますか?”のSOSを受けての参戦です。
寺井先生が仰向け、うつ伏せで基本処置を終わらせていたので、私の仕事は踵の痛み治療だけです。
寺井先生は鍼免許を取った後、接骨師の免許取得目指しているので解剖知識が豊富な現役の学生です。で、寺井先生曰く “この症状はスポーツやる人に結構見られますよ”と言うので症例報告する事にしました。
先ずは触診。痛みが強いのは踵の内側寄り。ふくらはぎの内側と膝裏も痛みの無い右側に比べて明らかに硬いです(腎経と呼ばれるツボのライン)。で、股関節、腰(ガチガチに硬い)、肩も対側より明らかに硬いです。
触診の感じでは左の腎経を緩めれば何とかなるかな?と思い、寺井先生に講義するつもりで一緒に施術します。
“ここ押して。奥の塊みたいなコリ…分かる?”
“ここを押しながら踵の痛いトコが柔らかくなってる?”
“これで痛みが減るでしょ?”ってな感じで “膝坐骨、下会陽、委中、天宗” 等のツボに鍼を刺入していきます。
ガチガチに硬かった左腰が右腰よりも柔らかくなったのを確認したので、最も痛かった左の踵を寺井先生が思いっきり押圧します。
“あれ?だいぶ感じか違う…あまり痛くない。”との事。
寺井先生に抜鍼を指示して私が鍼を刺入した場所を確認させました。
起き上って左踵に体重をかける患者さん。
“私が右踵を10点満点とすると左踵は何点?”と聞くと
“そうですね、左は残り2割くらいです”と嬉しそうに答えます。
“半年も痛かったからこの状態は持って2,3日ですよ。この後治療をすっとぼけているとまた酷くなりますよ。”とクギを刺しました。
“次回の予約はまた電話します”と言いながら足取り軽く帰りました。
考察:今回の症例は足底筋膜炎との事ですが、普段治療している患者さんたちの中にも同じ様な症状を持った人が意外にいる気がしました。Tさんは左足底筋膜炎、左ふくらはぎ、左膝裏、左腰、左背中に左肩頸と身体全体のバランスが左に崩れていました。テニスやゴルフは片側を酷使するスポーツです。
これらのスポーツをやる場合は運動前後の十分な準備運動とストレッチをお奨めします。