こんにちは 治癒処の中野です。
前回の頭部への鍼刺激で若干の改善がみられたSさん、頸は回るようになってきたが引っ張られた痛みは残っている。
本人曰く“頸から肩にかけての痛みが強い”。
今回は再度お腹を緩めてから頸肩の付け根のコリを緩める様にしました。
2回目の症例報告で“ダチョウの卵”のようなお腹のコリの塊は幾分マシになっていたので、
今回は脚のツボで“瘀血”と“胃の気”、そして脇腹のツボ“絶骨”、鼠経のツボ“築賓”に鍼刺激しました。
お腹をチェックすると腹部の張り感が半減している様なので“さぁどうだ!”と言わんばかりに
頸全体を細かく押してチェックしました。“表面は緩みが出たけどまだ、硬いなぁトホホ…”
気合を入れ直してうつ伏せでもう一勝負です。
頸の後ろを丁寧にチェックすると触診で私達が“邪骨”と呼んでいる頸椎にへばり付いている大きくカチカチのコリが
認められます。こんな凄い(邪骨)の久しぶりだ!ってくらい大きく堅いコリです。
“コイツ(邪骨)が痛みやツラさの原因だぁ…”5回目の施術にして初めてその姿を現した瞬間でした。
ふくらはぎのツボ、委中ー飛揚ー崑崙にハリネズミ打ち+棘突起間のアンカーショット(写真)、とどめに目のツボ後頭部に
“頸ソウ刺”。
頸椎脇の邪骨を確認すると“コリが割れた”のを指先で感じました。
Sさんに起き上って確認して貰います。
“う~ん、よく分からないけど何となく軽くなったかな”
ツラさの根源“邪骨”を見つけたので今回から私は自信を持って次回の予約を取るように奨められます。
“今日見つけた凄まじい頸の眼精疲労コリ、コイツを取れば確実に痛みやツラさが無くなります。”と
Sさんはこの後、一週間おきに7回通ってもらい頸肩はスッキリ!辛さがなくなりました。
今では月1,2回ペースでメンテナンスに来ています。
考察:最近慢性化が著しい患者さんの来院頻度が増えている気がします。痛みやツラさの根本を探る手技や
証の見立ては変わらないんですが、通常ココとココのツボ刺激を加えれば痛みは半減するのに少ししか痛みが取れない
➡ホントにココのツボで合ってるの?と自問自答してしまう場合がたまにあります。今、私たちの技術では
顕著に慢性化した身体に対しては施術回数をこなして少しづつツラさを削っていくしかないようです。
今回の症例報告では“患者さんは私達の先生”って改めて思いなおしました。