こんにちは。治癒処の中野です。
今回は私をかなり悩ませた症例報告です。下手くそなりに頑張って…何とか痛みのない患者さんの日常をお手伝い出来ました。
Mさん、37歳、2児の母、主訴は激痛で首を動かせない。
Mさんは3年位前より、身体の調子が悪くなると当院に駆け込んできます。2,3回の按摩整体や鍼治療で身体が楽になると3,4か月治療の間が空いて、痛みや辛さが酷くなるとまた来院。を繰り返す患者さんです。
今回は流産の後、頸~肩にかけて原因不明、急性の激痛(主に左)に見舞われた為、院長指名で予約が入りました。朝起きた時が一番ツラくて動けないとの事。病院では斜角筋症候群と診断され薬を処方されたが一向に効かず、当院に駆け込んで来ました。
先ずは触診です。首は前、横、後ろに胸鎖乳突筋(特に左)と全てガチガチ。腹はへそ周り、正中、脇腹に季肋部、鼠径部と全体的に過緊張です。足指、足裏は触れるだけで“イテテッ”。肘の扁桃反応点も“イテテッ”。頭部は指で叩くと“コンコンコン”と頭皮に栄養(血液)が流れてないような音。そして左耳を中心にして放射状に筋張ったコリが何本も見つかりました。
これはヒデぇな!(私の心の声)
患者さん曰く“朝起きると激痛なので眠りたくない日が続いてます。”
治療開始。首の痛みがメインなので通常通り首周りの筋肉が緩む脇腹、骨盤内、臀部、股関節周辺に鍼刺激を加える。
治療後、患者さんに痛みはどのくらい減ったのか?尋ねると“嘘のように痛くないです”と言うので治療を終了しました。翌日Mさんから治療予約が入り、夕方に2回目に来院。
“治療した日は良かったが、今朝起きたら首が…激痛です。”
マジか…?
首回りを触診すると前日よりは筋肉がふわっとしているが首が緊張状態でコチコチに固まっています。
“なんで直ぐに戻っちゃったんだろう?”
この日は前日に鍼刺激した脇腹、骨盤内、臀部、股関節周辺に加えて耳周りの側頭部に鍼刺激しました、前回より明らかに緩んでいるので、患者さんに首を動かしてもらいどんな具合か尋ねると
“楽です” と言うので今回はこれで終了。2,3日様子を見てもらう事にしました。
前回治療より2日後に3回目の来院。
“首の調子はどうですか?”と尋ねると“昨日までは良かったですが…今朝から激痛が…”と悲しそうな目で訴える。
翌週より家族で旅行に行く(お盆ホリデー)のでそれまでに治して欲しいとプレッシャーをかけられる。
汗…。今日と明日の治療で旅行に行けるようにですね…。
通常の頸肩処置では再発が早いので、今回はお腹(流産後に頸の痛みが始まった)のみ、徹底的に緩める事にしました。幸い脇腹や骨盤、股関節は前回までの治療で柔らかさが持続していました。
腹診です。胸部、季肋部はやや圧痛あり。臍周りはかなり硬くて痛い。鼠径部はくすぐったい痛み、恥骨は激痛でした。
治療3回目:足指の間、足首、すね、内膝、内もも、股関節に鍼刺激すると全体的な腹部の硬さは半減、痛みも半減。お腹が柔らかくなったのでその中で硬い所…臍周りと恥骨部、鼠径部に肘の免疫ツボに鍼刺激を加えて15分静置。
首をチェックすると…いいんじゃない?患者さんも“お腹がギュルギュル動いてます”と言うので
“あー…氣が動いてなかったパターンだ”と一人で呟きました。お腹の氣が停滞してると治療効果が巡らずに痛みが取れにくいのです。
“明日の朝、今までより首は楽だと思いますが、明日もう一度治療させてください。”
患者さん“明日また来ます”。
次回へ続きます。