症例報告:女性40代、右側先天性股関節脱臼で幼少期に先股脱手術。手術痕周辺の血行不良により慢性的な疼痛あり。本日の主訴は右先股脱の慢性疼痛です。
BFA術:先ずはどちらの耳にBFA鍼を刺入するか?左右の耳を同じように引っ張って痛みが強く感じる方を選びます。彼女の場合は右耳でした。
右耳(1)のポイントを探します。(1)の周辺を爪楊枝の頭で僅かに場所を変えながら一番痛みの強い、正確な位置と角度のポイントを見つけます。
BFA刺入。使ったBFAはステンレス鍼のせいか?刺入時は結構痛そうでした(鍼の形状が銛のようなもので…)。
刺入して1分経たないうちに痛みが7割くらい減ったと云います。
マジっすか? 凄ぇ~? ポイント(1)で十分そうなので残りは刺入しません。
ポイント(1)BFA鍼を覆うように付属のシールで鍼をカバーします(この付属の米国製シール…品質酷いです。日本製シールの高品質を実感しました)
更に経時変化の報告。BFA刺激10分後。
先股脱手術による筋緊張で太ももの外側が引っ張られているのが明確に分かるが痛みは無いとの事。
考察:さすが米軍開発のBFA!奴らの理念は合理性なので効果のあるものは、過程がブラックボックスでも大きな評価を与えます(私も合理主義なもので大いに賛同)。
痛みは本当に緩和しました。耳のポイント刺激は前頭葉に働きかけて脳の興奮状態を鎮静化して痛みを大いに和らげます。これにより彼女の痛みの下層にあった筋肉の引き攣れ感覚が現れました。更に下層?太ももの筋肉の血行不良な状態から冷えや寒さを感じていました。いずれも表層にあった慢性的な疼痛が除去された後の感覚が明確になったのだと思われます。
“バトルフィールドアクパンクチャー”で検索すると…少なからず代用品による実験報告が載っています。いずれも(1)~(5)の耳ツボに金粒やチタン粒を張り付けての刺激を加えたもののようで…あまり効果が出ないようです。
私が思うに多分刺激量が圧倒的に足りないのだろうと思います。BFAの代用品として耳に鍼治療用の針を直接刺激するにしても…その針は日本鍼15番位の太さが必要でしょう。
せっかくだから是非BFA鍼で追試して欲しいと思います。臨床ベースの価値は高いと思います。